日本沿岸の月平均潮位の変動
平成19年10月19日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2007年9月)
2007年9月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、南西諸島の一部でかなり高い状態でした。伊豆諸島、小笠原諸島ではやや~甚だ低く、関東南部から九州南部にかけての太平洋側の沿岸と瀬戸内海でやや~かなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
2007年9月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は
最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 |
かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
2007年9月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、南西諸島の一部でかなり高い状態でした。伊豆諸島、小笠原諸島ではやや~甚だ低く、関東南部から九州南部にかけての太平洋側の沿岸と瀬戸内海でやや~かなり低い状態でした。その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
北西太平洋 半旬別海面高度偏差によると、南西諸島近海を暖水渦が通過しており、このため奄美大島、沖縄本島など南西諸島の一部で月平均潮位がかなり高くなったと考えられます。
小笠原諸島周辺では冷水渦が通過していたことに伴い、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ約1℃低い状態でした。
また、黒潮が八丈島の南を通る非大蛇行離岸流路であったことに伴い、伊豆諸島周辺では月平均表層水温が同月平均と比べ約1~2℃低い状態となりました。
このため、これらの海域で月平均潮位がかなり~甚だ低くなったと考えられます。
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2002~2006年)のデータの平均値からの差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
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