日本沿岸の月平均潮位の変動

2025年1月20日 気象庁発表
(次回発表予定 2025年2月20日)

診断(2024年12月)

2024年12月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、大東島地方を除く沖縄・奄美と北海道地方でやや~かなり高く、津軽海峡、東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸、東日本太平洋側ではやや高い状態でした。一方、大東島地方ではかなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2024年12月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。詳しくは、「潮位観測施設への平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響」をご覧ください。

令和6年(2024年)能登半島地震の影響により、■で示した地点は診断での利用を休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2024年12月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ、北日本では4~5hPa程度低く、東日本や山陰では3~4hPa程度低くなりました。
大東島地方を除く沖縄地方や北陸地方、北海道地方の一部沿岸では、地盤が沈降していました。
奄美地方及び先島諸島では、月を通して付近に暖水域があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
大東島地方では、月を通して付近に冷水渦があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。
三宅島では月を通して付近を黒潮が流れており、海面水位が高い所に位置していました。
これらのことから、月平均潮位が大東島地方を除く沖縄・奄美と北海道地方の一部沿岸でやや~かなり高く、津軽海峡や東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸、東日本太平洋側ではやや高い状態になった一方、大東島地方ではかなり低い状態になったものと考えられます。
(参考情報:月平均海面気圧の偏差月平均表層水温の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2019~2023年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

関連情報

海洋の知識

データ

その他の診断

過去の診断

このページのトップへ