日本沿岸の月平均潮位の変動

2024年12月20日 気象庁発表
(次回発表予定 2025年1月20日)

診断(2024年11月)

2024年11月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、三宅島でかなり高く、大東島地方を除く沖縄・奄美でやや~かなり高く、東海地方から四国にかけての太平洋側及び九州の沿岸でやや高い状態でした。一方、北日本の一部の沿岸と大東島地方でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2024年11月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。詳しくは、「潮位観測施設への平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響」をご覧ください。

令和6年(2024年)能登半島地震の影響により、■で示した地点は診断での利用を休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

北日本の沿岸では、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べ約1~2hPa高くなりました。
三宅島では月を通して付近を黒潮が流れており、海面水位が高い所に位置していました。
東海地方の一部の沿岸では、黒潮から分かれた暖水の影響で月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ高い状態でした。
西日本太平洋側及び九州北部地方では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高く、台風第21号から変わった低気圧や中旬や下旬に通過した低気圧の影響を受けて潮位が上昇した期間がありました。
奄美地方及び先島諸島では、月を通して付近に暖水渦や暖水域があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
大東島地方では月を通して付近に冷水渦があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。
これらのことから、月平均潮位が三宅島でかなり高く、大東島地方を除く沖縄・奄美でやや~かなり高く、東海地方から四国にかけての太平洋側及び九州の沿岸でやや高い状態になった一方、北日本の一部の沿岸と大東島地方でやや低い状態になったものと考えられます。
(参考情報:月平均海面気圧の偏差月平均表層水温の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2019~2023年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
ただし、弟子待(下関)は11月のデータが欠測となっています。

(参考情報:潮汐概況

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