日本沿岸の月平均潮位の変動

平成20年10月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2008年9月)

2008年9月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、伊豆諸島の一部と父島、紀伊半島から九州にかけての瀬戸内海を含む沿岸および本州の日本海沿岸でやや~かなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2008年9月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は 最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。


偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2008年9月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、伊豆諸島の一部と父島、紀伊半島から九州にかけての瀬戸内海を含む沿岸および本州の日本海沿岸でやや~かなり低い状態でした。

八丈島の南を黒潮が流れていたことにより、伊豆諸島南部の海域では月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ1~2℃程度低い状態でした。
また、小笠原諸島付近でも月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ1~2℃程度低い状態となりました。
さらに、紀伊半島から九州にかけての沿岸と、本州の日本海沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ1℃程度低い状態でした。
このため、これらの海域で月平均潮位がやや~かなり低くなったと考えられます。
日本海側では、場所によって先月に比べ月平均潮位が15cm以上低くなっているところがあります。また、太平洋側では例年9月に年間の最高潮位を迎え8月よりも潮位が数cm上昇しますが、本年は四国、瀬戸内海を中心に8月よりも月平均潮位が10cm程度低くなっています。
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2003~2007年)のデータの平均値からの差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

このページのトップへ