日本沿岸の月平均潮位の変動

平成21年9月24日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2009年8月)

2009年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、父島および南西諸島で、やや~かなり高く、紀伊半島西部から四国東部にかけては、やや高い状態でした。また、三宅島ではかなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2009年8月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。


偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2009年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、父島および南西諸島で、やや~かなり高く、紀伊半島西部から四国東部にかけては、やや高い状態でした。また、三宅島ではかなり低い状態でした。

父島の周辺海域では、父島近海にある暖水渦の影響で、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて2℃程度高い状態でした。このため、父島では月平均潮位がかなり高くなったと考えられます。
南西諸島では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~1℃程度高い状態でした。このため、この海域では月平均潮位がやや~かなり高くなったと考えられます。このうち石垣島近海には暖水渦があり、石垣島はこの暖水渦の影響を受けていたと考えられます。
三宅島の周辺海域では、黒潮が八丈島近海を流れていたことにより、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて2~4℃程度低い状態でした。このため、三宅島で月平均潮位がかなり低くなったと考えられます。伊豆諸島南部では、2009年2月以降、月平均潮位の低い状態が続いています。

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2004~2008年)のデータの平均値からの差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

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