日本沿岸の月平均潮位の変動
平成21年12月21日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2009年11月)
2009年11月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、潮岬から九州にかけての太平洋側沿岸でやや~かなり高く、父島でかなり高く、伊豆諸島南部でやや高い状態でした。また、与那国島でかなり低く、北海道日本海側と東北北部の沿岸ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
2009年11月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 |
かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
2009年11月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、潮岬から九州にかけての太平洋側沿岸でやや~かなり高く、父島でかなり高く、伊豆諸島南部でやや高い状態でした。また、与那国島でかなり低く、北海道日本海側と東北北部の沿岸ではやや低い状態でした。
潮岬から九州にかけての太平洋側沿岸では、都井岬から足摺岬で黒潮が接岸したこともあり、月平均潮位がやや~かなり高くなったと考えられます。
父島周辺では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて2℃程度高い状態でした。また、伊豆諸島南部では、黒潮が三宅島付近を流れていたことにより、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~2℃程度高い状態でした。このため、これらの海域では、月平均潮位がやや~かなり高くなったと考えられます。
与那国島周辺では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~1℃低い状態でした。このため、与那国島で月平均潮位がかなり低くなったと考えられます。
北海道日本海側と東北北部では、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べて、2~5hPa高い状態でした。このため、これらの地域の沿岸では、月平均潮位がやや低くなりました。
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2004~2008年)のデータの平均値からの差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
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