日本沿岸の月平均潮位の変動

平成22年1月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2009年12月)

2009年12月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、房総半島から九州にかけての太平洋沿岸でかなり高い状態でした。また与那国島でかなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、やや高いところが多くなりました。
月平均潮位偏差分布

2009年12月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。


偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2009年12月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、房総半島から九州にかけての太平洋沿岸でかなり高い状態でした。また、与那国島でかなり低い状態でした。その他の地方の沿岸は、やや高いところが多くなりました。

房総半島から東海地方にかけての沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて1~2℃程度高い状態でした。このため、これらの海域では月平均潮位がかなり高くなったと考えられます。特に、相模湾周辺海域を中心に黒潮の一部が流れ込んだことにより、11月下旬から12月上旬にかけて平常より20~30センチ程度高くなる異常潮位が発生しました。
近畿地方から九州にかけての太平洋沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~2℃程度高い状態でした。このため、これらの海域では月平均潮位がやや~かなり高くなったと考えられます。
また、与那国島周辺では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~1℃程度低い状態でした。このため、与那国島で月平均潮位がかなり低くなったと考えられます。
このほか、東日本から西日本では、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べて、2~3hPa低い状態でした。この影響も加わり、広い範囲で月平均潮位が高めに経過したと考えられます。

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2004~2008年)のデータの平均値からの差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

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