日本沿岸の月平均潮位の変動

平成22年5月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2010年4月)

2010年4月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、紀伊半島から九州南部にかけての瀬戸内海を含む沿岸ではやや高い状態でした。東北地方太平洋側の一部及び八重山地方ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2010年4月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。


偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2010年4月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、紀伊半島から九州南部にかけての瀬戸内海を含む沿岸ではやや高い状態でした。東北地方太平洋側の一部及び八重山地方ではやや低い状態でした。

黒潮が4月を通して潮岬から都井岬にかけて接岸したことに伴い、紀伊半島から九州南部にかけての沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~1℃程度高い状態でした。 このため、これらの地方及び瀬戸内海では月平均潮位がやや高くなったと考えられます。
東北地方太平洋側では、最近5年間の同月の平均に比べて月平均海面気圧が4~5hPa高い状態でした。 八重山諸島周辺海域では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5℃程度低い状態でした。 以上から、これらの地方の沿岸では、月平均潮位がやや低くなったと考えられます。

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2005~2009年)のデータの平均値からの差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

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