日本沿岸の月平均潮位の変動
平成22年8月20日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2010年7月)
2010年7月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、三宅島で甚だ高く、東海地方沿岸ではかなり~甚だ高い状態でした。山陰沿岸、瀬戸内海沿岸、九州沿岸ではやや高い状態でした。また、父島でかなり低く、八重山地方でやや~かなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
2010年7月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 |
かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
2010年7月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、三宅島で甚だ高く、東海地方沿岸ではかなり~甚だ高い状態でした。山陰沿岸、瀬戸内海沿岸、九州沿岸ではやや高い状態でした。また、父島でかなり低く、八重山地方でやや~かなり低い状態でした。
黒潮が三宅島付近を流れた影響で、三宅島周辺海域では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて4℃程度高い状態でした。また、中旬から下旬にかけては、黒潮から分岐した暖水の流れが駿河湾から熊野灘にかけて広がったため、この海域で月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて1℃程度高い状態でした。そのため、月平均潮位は、三宅島で甚だ高く、東海地方沿岸ではかなり~甚だ高くなったと考えられます。
山陰沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5℃程度高かったことなどにより、月平均潮位がやや高くなったと考えられます。また、九州沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて0.5~1℃程度高かったため、月平均潮位がやや高くなったと考えられます。
父島周辺海域では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて1℃程度低く、先島諸島周辺海域では0.5℃程度低い状態でした。そのため、月平均潮位は、父島でかなり低く、八重山地方ではやや~かなり低くなったと考えられます。
(参考情報:黒潮(海面水温・海流の月概況(日本南方海域))、月平均表層水温)
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2005~2009年)のデータの平均値からの差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況)
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