日本沿岸の月平均潮位の変動
平成22年9月21日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2010年8月)
2010年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、日本海北部沿岸、山陰沿岸、八重山諸島の一部でやや高い状態でした。また、室戸岬と潮岬でもやや高い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
2010年8月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 |
かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
2010年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、日本海北部沿岸、山陰沿岸、八重山諸島の一部でやや高い状態でした。また、室戸岬と潮岬でもやや高い状態でした。
日本海北部・山陰及び八重山諸島の一部では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて2℃以上高く、月平均潮位がやや高い状態となりました。
室戸岬と潮岬では8月を通して黒潮が接岸していたために、月平均潮位はやや高い状態でした。
日本周辺海域における8月の月平均海面水温は、1985年以降で最も高くなりましたが、それとともに月平均表層水温も広い範囲で最近5年間の同月の平均に比べ高くなりました。一方、日本付近が太平洋高気圧に広く覆われたため、8月の月平均海面気圧は北日本の一部を除いて、最近5年間の同月の平均に比べ2~5hPa高くなりました。このため、表層水温が高いことによる潮位の上昇と、海面気圧が高いことによる潮位の低下が相殺され、月平均潮位の高い領域が広い範囲に及ばなかったものと考えられます。
(参考情報:黒潮(海面水温・海流の月概況(日本南方海域))、臨時診断表(2010年8月の日本周辺海域の海面水温について)、月平均表層水温の偏差、月平均海面気圧の偏差)
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2005~2009年)のデータの平均値からの差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況)
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