日本沿岸の月平均潮位の変動
平成23年4月20日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による津波の影響のため、速報値を用いて診断を行っています。
また、観測機器の破損や地盤沈下が起こった地点については、診断を行っておりません。
診断(2011年3月)
2011年3月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、関東地方および小笠原諸島の沿岸ではやや高く、伊豆諸島南部、九州地方東シナ海側、南西諸島、東北地方日本海側から北陸地方にかけての一部沿岸ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
2011年3月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点では診断を行っておりません。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 |
かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
2011年3月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、関東地方および小笠原諸島の沿岸ではやや高く、伊豆諸島南部、九州地方東シナ海側、南西諸島、東北地方日本海側から北陸地方にかけての一部沿岸ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
関東地方および小笠原諸島の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5~1℃程度高い状態でした。このため、これらの地域の沿岸では月平均潮位がやや高くなったものと考えられます。
伊豆諸島南部、東北地方日本海側から北陸地方にかけての一部沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5~1℃程度低い状態でした。このため、これらの地域の沿岸では月平均潮位がやや低くなったものと考えられます。
九州地方から南西諸島にかけて、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べ3~4hPa程度高くなりました。さらに、 九州地方東シナ海側および南西諸島の一部沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5℃程度低い状態でした。このため、これらの地域の沿岸では月平均潮位がやや低くなったものと考えられます。
(参考情報:月平均海面気圧の偏差、月平均表層水温の偏差)
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2006~2010年)のデータの平均値からの差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況)
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