日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１１年８月）

2011年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、関東地方から東海地方にかけての沿岸や伊豆諸島、近畿から九州北部にかけての日本海沿岸および八重山地方でやや～かなり高い状態でした。一方、佐渡や沖縄本島地方の沿岸ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。

2011年8月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点では診断を行っておりません。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

2011年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、関東地方から東海地方にかけての沿岸や伊豆諸島、近畿から九州北部にかけての日本海沿岸および八重山地方でやや～かなり高い状態でした。一方、佐渡や沖縄本島地方の沿岸ではやや低い状態でした。

関東地方沿岸および伊豆諸島では、黒潮が接近した影響で、また東海地方沿岸では、黒潮からの暖水の影響により、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5～3℃程度高い状態でした。このため、これらの地域の沿岸では月平均潮位がやや～かなり高くなったものと考えられます。
八重山地方では、暖水渦が接近した影響により、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5～1℃程度高い状態でした。このため、この地域の沿岸では月平均潮位がやや～かなり高くなったものと考えられます。
近畿から九州北部にかけての日本海沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5～2℃程度高い状態でした。このため、これらの地域の沿岸では月平均潮位がやや高くなったものと考えられます。
一方、佐渡や沖縄本島地方の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ0.5～1 ℃程度低い状態でした。このため、この地域の沿岸では月平均潮位がやや低くなったものと考えられます。

（参考情報：月平均表層水温の偏差、 海面水温・海流の月概況(関東沖海域)、 海面水温・海流の月概況(日本南方海域) ）

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間（2006～2010年）のデータの平均値からの差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）