日本沿岸の月平均潮位の変動
平成24年3月21日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で観測機器の破損や地盤の変動が大きかった東北地方の地点(青森県八戸~福島県小名浜)については、診断での利用を休止しています。
また、それ以外の地点においても、潮位観測値に地盤の変動の影響が含まれている可能性があります。
診断(2012年2月)
2012年2月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、伊豆諸島の沿岸、東海地方から四国地方の太平洋沿岸、瀬戸内海、九州地方から奄美地方の沿岸の一部では、やや~かなり高い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
2012年2月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 |
かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
2012年2月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、伊豆諸島の沿岸、東海地方から四国地方の太平洋沿岸、瀬戸内海、九州地方から奄美地方の沿岸の一部では、やや~かなり高い状態でした。
東海地方から四国地方の太平洋沿岸や九州地方から奄美地方の沿岸では月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ1℃程度高い状態でした。このため、これらの地域の沿岸の一部では月平均潮位がやや~かなり高くなったものと考えられます。また、瀬戸内海の海水の出入り口にあたる豊後水道および紀伊水道付近の潮位が例年より高くなったことに伴い、瀬戸内海の月平均潮位もやや高くなったものと考えられます。
伊豆諸島近海では、黒潮が八丈島付近から三宅島付近を流れた影響で、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ1℃程度高い状態でした。このため、この地域では月平均潮位がやや高くなったものと考えられます。
(参考情報:月平均表層水温の偏差、
海面水温・海流の月概況(関東沖海域)、
海面水温・海流の月概況(日本南方海域)
)
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧ともに最近5年間(2007~2011年)のデータの平均値からの差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況)
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