日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１６年１２月）

2016年12月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、奄美地方から沖縄地方にかけての沿岸でやや～かなり高く、対馬でやや高い状態でした｡一方、三宅島で甚だ低く、近畿地方の一部の沿岸でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。

2016年12月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

2016年12月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ全般に高く、特に北日本から東日本では2～4hPa程度高い状態でした。

奄美地方から沖縄地方にかけての沿岸では、中旬から下旬に先島諸島の南、下旬に奄美群島の南にそれぞれ暖水渦が見られるなど、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
対馬では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
三宅島は、黒潮の北側の水位が低いところに位置し、また地盤が隆起している状態でした。

これらのことから、月平均潮位が奄美地方から沖縄地方にかけての沿岸でやや～かなり高く、対馬でやや高い状態になった一方、三宅島で甚だ低く、近畿地方の一部の沿岸でやや低い状態になったものと考えられます。

（参考情報：月平均海面気圧の偏差、月平均表層水温の偏差、海面水温・海流（沖縄周辺海域）、関東・東海・北陸周辺海域の深さ50mの海流分布図（12月19日）、地盤上下変動量）

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量（検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値）と最近5年間（2011～2015年）のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）