日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１８年２月）

2018年2月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、父島でかなり高く、南大東島でやや高い状態でした｡ 一方、北海道地方、関東地方、近畿地方の太平洋沿岸、四国地方の太平洋沿岸、瀬戸内海、九州地方の沿岸でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした｡

2018年2月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

2018年2月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ全般に±1hPa以内でした。

父島及び南大東島では、近海に暖水域がみられ、海面水位が高い状態でした。

関東地方、九州地方の沿岸では、近海に冷水域がみられ、海面水位が低い状態でした。

黒潮が、室戸岬及び潮岬で離岸して流れており、近畿地方の太平洋沿岸、四国地方の太平洋沿岸、瀬戸内海の沿岸では、海面水位が低い状態でした。

これらのことから、月平均潮位が父島でかなり高く、南大東島でやや高い状態になった一方で、 関東地方、近畿地方の太平洋沿岸、四国地方の太平洋沿岸、瀬戸内海、九州地方の沿岸でやや低い状態になったものと考えられます。

（参考情報：月平均海面気圧の偏差、 月平均表層水温の偏差、 近畿・中国・四国周辺海域の深さ50mの海流分布図、深さ100mの水温分布図（2月27日））

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量（検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値）と最近5年間（2013～2017年）のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）