日本沿岸の月平均潮位の変動

診断（２０１８年１０月）

2018年10月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均と比べ、三宅島、大東島地方の沿岸でかなり高く、父島でやや高い状態でした｡
一方、紀伊水道でやや～かなり低く、瀬戸内海、四国地方の太平洋沿岸、豊後水道、九州の沿岸、奄美地方の沿岸でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした｡

2018年10月 月平均潮位偏差分布

月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。

甚だ高い	+20 ≤	ΔH
かなり高い	+10 ≤	ΔH <	+20
やや高い	+5 ≤	ΔH <	+10
例年並	-5 ≤	ΔH <	+5
やや低い	-10 ≤	ΔH <	-5
かなり低い	-20 ≤	ΔH <	-10
甚だ低い		ΔH <	-20

解説

三宅島は、付近を黒潮が流れており海面水位が高いところに位置していました。
南大東島の近海に暖水渦があり、海面水位が高い状態でした。
父島では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。

黒潮が室戸岬及び潮岬で離岸して流れており、紀伊水道、瀬戸内海、四国地方の太平洋沿岸では海面水位が低い状態でした。
奄美地方では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。

これらのことから、月平均潮位が三宅島、大東島地方の沿岸でかなり高く、父島でやや高い状態になった一方、紀伊水道でやや～かなり低く、瀬戸内海、四国地方の太平洋沿岸、奄美地方の沿岸でやや低い状態になったものと考えられます。

（参考情報：月平均表層水温の偏差、 関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図（10月18日）、 近畿・中国・四国周辺海域の深さ50mの海流分布図、深さ100mの水温分布図（10月18日）、 沖縄周辺海域の海面高度偏差分布図（10月18日））

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量（検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値）と最近5年間（2013～2017年）のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

（参考情報：潮汐概況）