日本沿岸の月平均潮位の変動

2020年3月23日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2020年2月)

2020年2月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、 父島でかなり高く、伊豆諸島、東海地方から四国地方太平洋側にかけての沿岸および瀬戸内海東部の沿岸でかなり~やや高い状態でした。九州北部地方の一部や大東島地方の沿岸ではやや高い状態でした。 一方、奄美地方ではかなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2020年2月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

父島の近海では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
三宅島付近を黒潮が流れ、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
伊豆諸島北部では黒潮、東海地方から熊野灘にかけての沿岸では黒潮から分かれた暖水の影響がありました。
四国地方および九州地方での沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
大東島地方の近海では、月の大半にわたり暖水渦がありました。
奄美地方の南東では、月の大半にわたり冷水渦がありました。
これらのことから、父島でかなり高く、伊豆諸島、東海地方から四国地方太平洋側にかけての沿岸および瀬戸内海東部の沿岸でかなり~やや高く、九州北部地方の一部や大東島地方の沿岸ではやや高い状態となった。一方、奄美地方ではかなり低い状態となったものと考えられます。

(参考情報:月平均表層水温の偏差関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図(2月19日)

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2015~2019年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

(参考情報:潮汐概況

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