日本沿岸の月平均潮位の変動

2021年6月21日 気象庁発表

診断(2021年5月)

2021年5月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、三宅島でかなり高い状態でした。また、東北日本海側から山陰にかけての沿岸と父島でやや高い状態でした。一方、大東島地方ではかなり低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2021年5月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

三宅島は付近を黒潮が流れていたため、月平均潮位がかなり高くなりました。
東北日本海側から山陰にかけての沿岸では、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べ、2~3hPa程度低かった影響で、月平均潮位がやや高くなりました。
父島は周辺に暖水域があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて高かった影響で、月平均潮位がやや高くなりました。
大東島地方では、上旬から中旬にかけて周辺に冷水域があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べて低かった影響で、月平均潮位がかなり低くなりました。
(参考情報:月平均海面気圧の偏差月平均表層水温の偏差関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図(5月19日) 沖縄周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図(5月19日)

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2016~2020年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

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