日本沿岸の月平均潮位の変動

2022年2月21日 気象庁発表

診断(2022年1月)

2022年1月の月平均潮位は、紀伊半島から四国地方にかけての沿岸及び瀬戸内海東部でかなり~やや高く、北海道地方の一部の沿岸、奄美地方、与那国島地方の沿岸でやや高い状態でした。一方、三宅島でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2022年1月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

紀伊半島から四国地方にかけての沿岸では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響があったため、月平均潮位がかなり~やや高くなりました。
北海道地方の一部の沿岸では、北海道周辺を数日おきに通過した低気圧に伴う影響(吸い上げ効果、吹き寄せ効果)があったため、月平均潮位がやや高くなりました。
奄美地方や与那国島地方の沿岸では、表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ高かった影響や月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べ1~1.5hPa程度低かった影響があったため、月平均潮位がやや高くなりました。
三宅島は、上旬から中旬にかけて黒潮が三宅島の南を流れることが多かったため、月平均潮位が低くなっていました。また、この地域では、地盤が隆起しており、地盤の変動がない時の潮位と比べ、低めに観測されている状態でした。
(参考情報:月平均海面気圧の偏差月平均表層水温の偏差沖縄周辺海域の海水温(深さ100m)分布図(1月19日)

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2017~2021年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

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