日本沿岸の月平均潮位の変動

2022年10月20日 気象庁発表

診断(2022年9月)

2022年9月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べて、東海地方の一部、西日本太平洋側の沿岸でかなり高く、九州北部地方の沿岸でやや~かなり高く、北海道地方及び山陰の一部、奄美地方、沖縄本島地方の沿岸、父島でやや高い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2022年9月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

九州北部地方の一部、九州南部、南西諸島、父島では、2022年9月の月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べて2~4hPa程度低い状態でした。
北海道太平洋側、東海地方の一部~西日本太平洋側、九州北部地方、沖縄本島地方の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べて高い状態であり、東海地方~四国太平洋側の沿岸の一部では、黒潮または黒潮から分かれた暖水の影響がありました。
北海道日本海側の一部の沿岸では台風第11号及び台風第11号から変わった低気圧、東海地方の一部の沿岸では台風第14号の接近・通過に伴う吹き寄せの影響がありました。また、西日本太平洋側、九州北部地方、沖縄本島地方の沿岸、山陰の一部の沿岸では、台風第11号や台風第14号の接近・通過に伴う吹き寄せの影響がありました。
これらのことから、月平均潮位が東海地方の一部、西日本太平洋側の沿岸でかなり高く、九州北部地方の沿岸でやや~かなり高く、北海道地方及び山陰の一部や奄美地方、沖縄本島地方の沿岸、父島でやや高くなったものと考えられます。
(参考情報:月平均表層水温の偏差月平均海面気圧の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2017~2021年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

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