日本沿岸の月平均潮位の変動

2024年8月20日 気象庁発表

診断(2024年7月)

2024年7月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、三宅島でかなり高く、北海道地方の沿岸および津軽海峡、東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸では、やや~かなり高く、東海地方の沿岸の一部、種子島、大東島地方、八重山地方でやや高い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2024年7月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。

令和6年(2024年)能登半島地震の影響により、■で示した地点は診断での利用を休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2024年7月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ、北日本で2~6hPa低くなりました。
三宅島では月を通して付近を黒潮が流れており、海面水位が高い所に位置していました。
東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高く、南西風が続いた影響や、対馬暖流の強まりがありました。
東海地方の沿岸の一部では、黒潮から分かれた暖水が流れ込んだ影響で、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
種子島では、7月前半は、黒潮が接近していた影響で、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
大東島地方では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
八重山地方では、石垣島の南の暖水域の影響で、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
これらのことから、三宅島でかなり高く、北海道地方の沿岸および津軽海峡、東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸では、やや~かなり高く、東海地方の沿岸の一部、種子島、大東島地方、八重山地方でやや高い状態になったものと考えられます。
(参考情報:月平均表層水温の偏差 月平均海面気圧の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2019~2023年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

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