日本沿岸の潮位の年概況

2024年2月20日 気象庁発表
(次回発表予定 2025年2月20日)

月平均潮位

2023年の月平均潮位と最近5年間(2018~2022年)の同月の平均値との差(ΔH)を図に示します。各月の特徴は以下のとおりです。なお、ΔHの区分は次のとおりです。

甚だ高い +20cm ≤ ΔH
かなり高い +10cm ≤ ΔH < +20cm
やや高い +5cm ≤ ΔH < +10cm
例年並 -5cm ≤ ΔH < +5cm
やや低い -10cm ≤ ΔH < -5cm
かなり低い -20cm ≤ ΔH < -10cm
甚だ低い ΔH < -20cm

※平成23年(2011年)東北太平洋沖地震の影響による地盤変動の影響が大きいことから、宮古、大船渡、鮎川、小名浜については概況を記載していません。

1月

三宅島と東海地方の沿岸の一部でやや高い状態でした。一方、石垣島地方でやや低い状態でした。

2月

石垣島地方でかなり低く、大東島地方と与那国島地方でやや低い状態でした。

3月

北海道地方の沿岸でやや~かなり低く、津軽海峡、父島、大東島地方及び八重山地方の沿岸でやや低い状態でした。

4月

大東島地方でかなり高く、三宅島、北陸地方、近畿北部、山陰の沿岸、九州西岸および八重山地方でやや高い状態でした。

5月

紀伊半島の一部、沖縄本島地方でやや高い状態でした。一方、大東島地方でやや低い状態でした。

6月

西日本の沿岸でやや~かなり高く、沖縄本島地方でやや高い状態でした。一方、東海地方の沿岸、大東島地方、八重山地方でやや低い状態でした。

7月

大東島地方でかなり高く、北海道地方の沿岸でやや~かなり高く、東北北部の一部の沿岸、奄美地方および沖縄本島地方でやや高い状態でした。一方、父島および石垣島地方でかなり低い状態でした。

8月

奄美地方と沖縄本島地方でかなり高く、東日本太平洋側と西日本の沿岸でやや~かなり高い状態でした。一方、大東島地方でやや低い状態でした。

9月

東日本~西日本の沿岸及び八重山地方でかなり~やや高く、北日本の沿岸及び奄美地方でやや高い状態でした。一方、大東島地方で甚だ低い状態でした。

10月

三宅島でかなり高く、北海道地方でかなり~やや高く、東北地方、関東地方、東海地方の一部、近畿地方北部の沿岸でやや高い状態でした。

11月

大東島地方でかなり高く、北海道地方、北陸地方、近畿北部の沿岸、三宅島、奄美地方でやや高い状態でした。

12月

奄美地方、大東島地方、石垣島地方では、やや高い状態でした。一方、東海地方から四国地方にかけての沿岸では、やや~かなり低く、北陸地方及び九州の一部沿岸では、やや低い状態でした。

月平均潮位偏差分布

2023年の月平均潮位と最近5年間(2018~2022年)の各月の平均値との差(ΔH)


は例年より高いことを、は例年より低いことを示します。

白黒の図はこちら


高潮

2023年に最大潮位偏差50cm以上の高潮は11回発生しました。大きな潮位偏差を記録した地点及び最大潮位偏差と主な要因は次のとおりです。なお、同一現象により発生した最大潮位偏差50cm以上の高潮が5地点を超えた場合は、潮位偏差の大きい上位5地点及び最大潮位偏差50cm以上の高潮を記録した全地点数を記載します。*は当該期間に欠測があったことを示します。

1月14日

浜田51cm(低気圧)

1月20日〜21日

能登54cm(低気圧及び冬型気圧配置)

1月24日

能登89cm(冬型気圧配置)

5月31日~6月3日

石垣55cm、舞阪52cm、御坊51cm(台風第2号)

8月1~10日

大浦*74cm、枕崎68cm、口之津66cm、苓北59cm、鹿児島*59cm、計11地点(台風第6号)

8月14~15日

浦神91cm、赤羽根*77cm、熊野*76cm、尾鷲73cm、串本67cm、計13地点(台風第7号)

10月6~7日

能登75cm、小樽54cm(低気圧及び冬型気圧配置)

11月7日

能登75cm、境52cm(冬型気圧配置)

11月17~19日

能登53cm、釧路52cm、布良51cm(低気圧及び冬型気圧配置)

12月7日

稚内50cm(低気圧)

12月17日

能登62cm(冬型気圧配置)

【訂正のお知らせ】解説文について、下線部のとおり訂正しました。(2024年3月21日)

津波

2023年に観測された津波は次のとおりです。なお、津波の高さとして、津波情報で使用されている「最大の高さの波」(津波がなかったとした場合の海面からの高さが最大となる波)を掲載します。括弧内には最大波高(全振幅)を併記します。*は観測精度0.1mの巨大津波観測計によって観測された値を示します。

5月5日

5月5日に発生した能登半島沖の地震に伴い、能登で4cm(13cm)の津波を観測しました。

10月5日

10月5日に発生した鳥島近海の地震に伴い、八丈島八重根で0.2m*(0.5m)の津波を観測しました。

10月6日

10月6日に発生した鳥島近海の地震に伴い、八丈島八重根で0.2m*(0.5m)の津波を観測しました。

10月9日

10月9日に発生した鳥島近海の地震に伴い、八丈島八重根で0.7m*(1.4m)、三宅島(坪田)で41cm(75cm)など、関東地方から九州にかけての太平洋沿岸や奄美地方の沿岸で津波を観測しました。

12月3日

12月2日に発生したフィリピン諸島、ミンダナオの地震に伴い、八丈島八重根で0.4m*(0.8m)、奄美で19cm(33cm)など、東北地方から九州にかけての太平洋沿岸や南西諸島の沿岸で津波を観測しました。

異常潮位

2023年に顕著な異常潮位は、観測されませんでした。

副振動

2023年に観測された最大全振幅が100cm以上の顕著な副振動は、次のとおりです。

1月24日

串本119cm

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