臨時診断表 石垣島地方における"異常潮位"について

平成20年6月30日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2008年6月30日)

石垣島地方では、現在、潮位が平常に比べて高い状態が続いています。これは、太平洋を西に進んできた暖水渦が接近したことによる異常潮位と考えられます。
この状態は、今後1か月程度は続く可能性があります。
南西諸島における海面高度偏差(6月22日現在)

南西諸島における海面高度偏差(6月22日現在)(単位:㎝)


海面高度観測衛星(Jason-1)の観測から求めた海面高度で、平均高度(1993~1996年の平均)に比べて海面高度(水位)が高い領域を赤い色で示す。石垣島地方の南方に周囲より海面高度の高い領域が見られる。気象庁ホームページ「海洋の健康診断表」 北西太平洋 半旬別海面高度偏差図 より引用した。


解説

石垣島地方では、現在、潮位が平常に比べて10㎝から20㎝程度高くなっており、「異常潮位(参考:異常気象レポート2005 1.6 日本近海における海洋の顕著な現象)」と呼ばれる現象が発生しています(図1)。
今回の異常潮位は、海面に盛り上がりを伴う直径400~500km程度の暖水渦が太平洋をゆっくり西に進み、石垣島地方に接近したことが原因と考えられます(図2)。これは、気象庁が今年3月から運用を開始した新しい数値海洋モデルの解析結果から確かめられたもので、図2で示した渦に対応する海域では表層水温が周囲に比べて高くなっています(図3)。
暖水渦はこの後も1か月程度は停滞することが数値海洋モデルから予想されています(図4)。

その他

 7月22日に、日本沿岸の月平均潮位の変動について定期診断表を発表します。

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