臨時診断表 2014/2015年海氷期のオホーツク海の海氷の広がりが過去最小

平成27年3月25日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2014/2015年)

2014/2015年海氷期のオホーツク海の最大海氷域面積(もっとも広がった時点の面積)は、1970/1971年の統計開始以来最小となる見込みです。

2015年2月28日のオホーツク海の海氷域
2015年2月28日のオホーツク海の海氷域(白い部分)
赤い線は平年の海氷縁の位置を示す。


2014/2015年海氷期のオホーツク海の海氷域面積の推移
2014/2015年海氷期のオホーツク海の海氷域面積の推移
赤線は今季の海氷域面積、ピンクの線は平年の海氷域面積、影の部分は「平年並」の範囲、青線は過去最大・最小を示す。


オホーツク海の最大海氷域面積の長期変化
オホーツク海の最大海氷域面積の長期変化
赤線は各年の最大海氷域面積を示す。


解説

2015年2月10日以降の海氷域面積の推移

オホーツク海の海氷域面積は、2015年2月10日以降、1970/1971年の統計開始以来最小で推移しています。 2月28日に海氷域面積が67.48万平方キロメートルに達して以降、海氷域面積は減少に転じており、今後も海氷域の大幅な拡大が見込まれないことから、 これが2014/2015年海氷期における最大海氷域面積(もっとも広がった時点の面積)となる見込みです。 この値は、これまで最大海氷域面積が最も小さかった1983/1984年の85.81万平方キロメートルを大きく下回り、1970/1971年の統計開始以来最小です。

要因

オホーツク海の最大海氷面積は長期的に減少傾向にありますが、今期、海氷域面積が最小となった要因として、 オホーツク海では1月以降、この時期に卓越する北西の風が弱く海氷域が拡大しにくかったこと、 また、当該海域の気温が平年より高い状態が続き、海氷域が生成しにくかったことが挙げられます。

その他

なお、今海氷期は、2月10日から15日頃にかけて千島近海に停滞した低気圧の影響で海氷域面積が一時的に減少し、その時期としては過去最小となりました。 このため、2月19日に臨時診断表「2014/2015年海氷期のオホーツク海の海氷域面積」を発表してオホーツク海の海氷の状況をお知らせしたところです。

気象庁では、オホーツク海の海氷の状況について定期診断を発表しています。最新の状況については、こちらをご覧ください。
定期診断:オホーツク海の海氷分布(実況)

参考資料

表:オホーツク海の最大海氷域面積の小さい上位5位

順位最大海氷域面積
(万平方キロメートル)
シーズン
1位67.482014/2015
2位85.811983/1984
3位90.302005/2006
4位91.132004/2005
5位94.241990/1991

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