臨時診断表 日本の南を中心に海面水温が過去最高を記録

令和2年9月1日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断

   8月の日本の南を中心とした海域の海面水温は、平年よりかなり高くなり、特に、関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東では、解析値のある1982年以降で最も高くなりました。

図1 日本近海の月平均海面水温分布図(左)と同平年偏差図(2020年8月)

図1 日本近海の月平均海面水温分布図(左)、同平年差分布図(右) (2020年8月)

左図の青枠、緑枠、黄色枠が、それぞれ関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東の領域を示しています。

平年差は海面水温の平年値(1981~2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。この図の海面水温は速報値で、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温の状況

   8月は、東・西日本から日本の南海上にかけて太平洋高気圧が強く、暖かい空気に覆われ日射も強かったため、これらの地域では記録的な高温となりました。これにより、日本の南を中心とした海域では、海面水温が平年よりかなり高くなり、海面水温が30℃を超える海域も広くみられました(図1)。
   特に、8月の月平均海面水温(※1)について、関東南東方では29.3℃(平年差+1.6℃)、四国・東海沖では29.8℃(平年差+1.7℃)、沖縄の東では30.7℃(平年差+2.1℃)となっており、解析値のある1982年以降で海面水温は年を通して、平年差も8月としては最も高くなりました(図2)。

   ※1 2020年の海面水温値は速報値です。

今後の見通し

   関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東では、今後も9月下旬まで海面水温が平年よりかなり高い見込みです。(図3)。一般的に台風が海面水温の高い海域を通過すると発達又は勢力を維持する傾向があります。台風が発生・接近する場合には、台風情報などの最新の気象情報にご留意ください。

その他

最新の状況や今後の見通しについて、日本近海の海面水温、海面水温・海流1か月予報をご覧ください。

なお、気象庁では、本件についての報道発表を行っています。

参考資料

図2 関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東の8月の月平均海面水温の推移

図2 関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東の8月の月平均海面水温の推移

図3 関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東の海面水温の実況と予測の推移

図3 関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東の海面水温の実況と予測の推移

青点線が過去の水温、赤太線が今後の予測、赤細線が平年値を示し、桃色の縦線が8月30日を示しています。

表:関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東の月平均海面水温が高かった月

順位関東南東方四国・東海沖沖縄の東
12020/829.3℃2020/829.8℃2020/830.7℃
21999/929.0℃2013/829.3℃2001/730.1℃
31999/8
1995/8
28.9℃1998/829.2℃1998/830.0℃

関連情報

海洋の知識

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