全球の海面水温の変動(2024年10月)

令和6年11月15日気象庁発表

診断

10月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差、中部から東部にかけて負偏差となりました。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はともに-0.4℃でした。
北太平洋では、熱帯域の西部から中緯度帯の広い範囲で顕著な正偏差となりました。
南太平洋では、熱帯域の西部と中緯度帯で顕著な正偏差、亜熱帯域の東部から南米の西海上にかけて顕著な負偏差となりました。
インド洋では、ソマリア沖とマダガスカルの南海上を除き、広い範囲で顕著な正偏差となりました。
北大西洋では、熱帯から中緯度帯にかけて顕著な正偏差となりました。
南大西洋では、亜熱帯で顕著な正偏差、熱帯域の中部で負偏差となりました。

全球海面水温平年偏差の分布

2024年10月の全球海面水温平年偏差の分布（平年
値は1991年〜2020年）。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

　北太平洋では、2010年代後半はおおむね正の太平洋十年規模振動（PDO）時に見られる海面水温偏差パターン（北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差）が続いていましたが、2020年頃からは北太平洋中央部付近で正偏差が続いているなど、負のPDO時のパターンが見られています。
　全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています（海面水温の長期変化傾向（全球平均））。

顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して（規格化海面水温偏差）、＋1を上回る正偏差（高温）、−1を下回る負偏差（低温）を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。