全球の海面水温の変動(2025年5月)
令和7年6月16日気象庁発表
令和7年6月16日気象庁発表
- 太平洋赤道域の海面水温は、東部で負偏差、インドネシア周辺で顕著な正偏差となりました。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は-0.3℃、基準値との差は-0.2℃でした。
- 北太平洋では、フィリピンの東海上~日本の南、日付変更線付近の熱帯および中緯度帯で顕著な正偏差、カリフォルニアの南西海上では顕著な負偏差となりました。
- 南太平洋では、熱帯から中緯度帯の西部、亜熱帯東部および中緯度帯中部で顕著な正偏差となりました。
- インド洋では、ベンガル湾や南半球側で顕著な正偏差となりました。
- 北大西洋では、亜熱帯の西部やヨーロッパの西海上で顕著な正偏差となりました。
- 南大西洋では、中緯度帯で顕著な正偏差となりました。
全球海面水温平年偏差の分布
2025年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1991年〜2020年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
北太平洋では、2010年代後半はおおむね正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が続いていましたが、2020年頃からは北太平洋中央部付近で正偏差が続いているなど、負のPDO時のパターンが見られています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。