日本近海の海流(月概況)

平成25年2月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年1月)

  • 黒潮は、1月上旬は沖縄の北西170km付近を、中旬は190㎞付近を、下旬は200km付近を北東に流れていました。足摺岬では、1月前半は上旬の一時期を除き離岸して流れ、1月後半は下旬の一時期を除き接岸して流れていました。潮岬では、1月中旬の前半を除き、接岸して流れていました。伊豆諸島付近では、1月上旬は八丈島付近を流れ、中旬は八丈島の北を流れ、下旬は八丈島と三宅島の間を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、1月を通して北緯40度・東経145度付近にありました。親潮の沖合の分枝の南限位置は、1月上旬は北緯40.5度・東経149度付近にあり、中旬及び下旬は北緯40.5度・東経147.5度付近にありました。親潮の面積は、1月上旬及び中旬は平年並、下旬は平年より大きい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、1月上旬及び下旬は平年並、中旬は平年より弱い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年1月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年1月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年1月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 190km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.9度/南東 北緯30度/南東 北緯29.8度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 一時接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 一時接岸 前半離岸、後半接岸 一時離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 前半離岸、後半接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.8度、東経138.6度 北緯32.9度、東経138.8度 北緯33.2度、東経137.8度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島付近 八丈島の北 八丈島と三宅島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 特になし  

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年1月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経145度付近(図中A) 北緯40度、東経145度付近(図中A) 北緯40度、東経145度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経149度付近 北緯40.5度、東経147.5度付近(図中B) 北緯40.5度、東経147.5度付近(図中B)
その他の親潮系冷水の位置 みられず みられず みられず
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並) 東経142.5度付近(平年より西) 東経142度付近(平年より西)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(図中C) 北緯38度付近(平年より北)(図中C) 北緯37度付近(平年より北)
その他の日本の東の海流 釧路沖の北緯41.5度、東経147度付近と、三陸沖の北緯39度、東経144.5度付近に暖水渦(図中D)がみられた。
日本海の海流 対馬暖流は、隠岐諸島付近で東に向かう流れや、佐渡の北西の東経138度付近で北に向かう流れがみられる他、朝鮮半島の東と、若狭湾の北西、能登半島の北西、秋田の東の暖水の張り出し(図中E)に沿って、それぞれ右回りの流れがみられた。
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年より弱い 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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