日本近海の海流(月概況)

平成25年7月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年6月)

  • 黒潮は、6月を通して沖縄の北西170〜180km付近を流れていました。都井岬および足摺岬では6月を通して離岸して流れていました。室戸岬では6月上旬および中旬は接岸して流れていましたが、下旬は離岸して流れていました。潮岬では6月を通して接岸して流れていました。伊豆諸島付近では、6月を通して八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、6月上旬および下旬は北緯39.5度、143.5度付近、中旬は北緯40度、東経144度付近にありました。沖合の分枝の南限位置は、6月上旬は北緯40度、東経148度付近、中旬は北緯40度、東経144度付近、下旬は北緯39.5度、東経147.5度付近にありました。親潮の面積は、6月上旬と下旬は平年より小さく、中旬は平年よりかなり小さい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、6月上旬は平年並、中旬と下旬は平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年6月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年6月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年6月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 170km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.8度/南東 北緯29.5度/東 北緯30.2度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32度、東経140度 北緯32.5度、東経140度 北緯32.5度、東経140度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 特にみられなかった

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年6月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経143.5度付近(図中A) 北緯40度、東経144度付近 北緯39.5度、東経143.5度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経148度付近(図中B) 北緯40度、東経149.5度付近 北緯40度、東経147.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 金華山沖から常磐沖の北緯36.5度付近まで 特にみられなかった 特にみられなかった
親潮の面積(※4 平年より小さい 平年よりかなり小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より東)(図中C) 東経143度付近(平年並)(図中C) 東経143度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38.5度付近(平年より北) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中D) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中D)
その他の日本の東の海流 特にみられなかった
日本海の海流 山陰沖では6月を通して隠岐の北に暖水域がみられ(図中E)、対馬暖流はこの暖水域の西縁を、6月上旬は北緯37.5度付近、中旬は北緯39度付近、下旬は北緯39.5度付近まで北上して流れていた
隠岐の北から能登沖にかけて、対馬暖流は6月上旬は隠岐の北の暖水域の東を南東に流れ、中旬および下旬は能登沖にみられた暖水域の張り出しに沿って東に流れていた
佐渡沖から津軽沖にかけて、対馬暖流は6月を通して北東または北北東に流れていた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

このページのトップへ