日本近海の海面水温(月概況)

平成25年8月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2013年7月)

  • 日本海では、海面水温が平年より高くなっていました(図中A)。
  • オホーツク海南部および本州の東の海面水温は、平年より高くなっていました(図中B)。
  • 福島県沖から金華山沖にかけて、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。
  • 関東の南東および日本の南の北緯30度以南の海面水温は、平年並となっていました(図中D)。
  • 南鳥島近海の海面水温は、おおむね平年より低くなっていました(図中E)。
  • 東シナ海南部および沖縄の南の海面水温は、平年並となっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2013年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2013年7月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、海面水温が平年より高くなっており(図中A)、特に日本海北部では、海面水温が平年より2℃以上高い海域がみられました。7月上旬は、中部や南部で強い風が吹いた影響で、海面水温が平年ほど上昇せず、平年より2℃以上高い海域は縮小したものの、日本海の海面水温は平年より高い状態が続いていました。7月中旬は、日本海北部で日照時間が平年より多く、風が平年より弱かったため、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大しました。7月下旬は、東経135度以西を中心として海面水温が平年並の海域が拡大しましたが、日本海北部および山陰沖から佐渡沖にかけては平年より高い状態が続いていました。

オホーツク海南部および本州の東の海面水温は、平年より高くなっていました(図中B)。これらの海域では、7月上旬は南よりの暖かい風の影響を受け、中旬は高気圧に覆われて平年より風が弱く、日射量が多かったため、海面水温が平年より大きく上昇しました。このため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。特に、中旬から下旬にかけて、海面水温が平年より3℃以上高い海域が広い範囲でみられました。

福島県沖から金華山沖にかけて、上旬は南よりの強い風による影響、中・下旬は梅雨前線が停滞し、日射量が平年より少なかった影響により、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。

関東の南東および日本の南の北緯30度以南の海面水温は、平年並となっていました(図中D)。

南鳥島近海の海面水温は、おおむね平年より低くなっていました(図中E)。

東シナ海南部および沖縄の南の海面水温は、平年並となっていました(図中F)。これらの海域では、7月上旬は太平洋高気圧に覆われ、海面水温が平年より高い海域が広がりましたが、中旬に沖縄の南から東シナ海南部へと進んだ台風第7号の影響を受け、平年より低い海域が広がりました。下旬には、再び太平洋高気圧に覆われたため、海面水温が上昇し、海面水温が平年並となりました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

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