日本近海の海面水温(月概況)
令和7年3月21日 気象庁発表
(次回発表予定 4月21日)
診断 (2025年2月)
- 日本海の北緯38度以北、北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
- 日本海の北緯38度以南、東シナ海北部、四国・東海沖、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中B)。
- 関東南東方、東シナ海南部、沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中C)。
- 南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2025年2月)
海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
日本近海の海面水温
日本海の北緯38度以北、北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。北海道南東方、本州東方の海面水温が平年よりかなり高い海域では、下層の暖水の影響もあると考えられます。北海道南東方の海面水温は、解析値のある1982年以降で、2月として最も高くなりました。
日本海の北緯38度以南、東シナ海北部、四国・東海沖、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中B)。これらの海域では、上旬と中旬後半から下旬前半にかけて平年より風が強かったことや寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。四国・東海沖で海面水温が平年よりかなり低い海域がみられることには、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響もあると考えられます。
関東南東方、東シナ海南部、沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中C)。これらの海域では、上旬と中旬後半から下旬前半にかけて平年より風が強かったことや寒気の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました。
南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。この海域では、上旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、上旬と中旬に平年より風が強かったことに加え、中旬と下旬に寒気の影響もあり、中旬から下旬にかけて海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
- 参考図:日本近海の月平均海面水温分布図(2025年2月)
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温分布図(2025年2月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温平年差分布図(2025年2月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の深さ100mの旬平均水温分布図(2025年2月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
- 参考情報:北西太平洋の海面水温(月概況)
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。