日本近海の海流(月概況)

平成25年9月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年8月)

  • 黒潮は、8月を通して沖縄の北西190km付近を流れていました。都井岬、足摺岬では8月を通して接岸して流れていました。室戸岬では、8月上旬は離岸して流れ、中旬以降は接岸して流れました。8月上旬は潮岬で離岸して南東に流れ、北緯32度、東経138度付近まで南下し、北北東に向きを変えて八丈島の西を流れ、三宅島付近から東南東に流れていました。中旬は潮岬で離岸して南東に流れ、北緯31.5度、東経138.5度付近まで南下し、八丈島付近を北北西に流れ、三宅島付近から東北東に流れていました。下旬は潮岬で接岸して南東に流れ、北緯31.5度、東経139度付近まで南下し、八丈島付近を北北西に流れ、三宅島の南で北東に向きを変えて流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、8月上旬は北緯39.5度、東経143度付近、中旬は北緯40.5度、東経143.5度付近にありました。沖合の分枝の南限位置は、8月上旬は北緯40度、東経146.5度付近、中旬は北緯39.5度、東経146.5度付近にありました。下旬は分枝構造がみられず、親潮の南限位置は北緯39度、東経146.5度付近にありました。親潮の面積は、8月上旬と中旬は平年並、下旬は平年より小さい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、8月上旬は平年並、中旬以降は平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年8月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年8月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年8月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 190km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30度/東南東 北緯30.2度/東 北緯30.2度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸  接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32度、東経138度付近 北緯31.5度、東経138.5度付近 北緯31.5度、東経139度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 特にみられなかった

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年8月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経143度付近(図中A) 北緯40.5度、東経143.5度付近 北緯39度、東経146.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経146.5度付近 北緯39.5度、東経146.5度付近(図中B) なし
その他の親潮系冷水の位置 三陸沖 金華山沖 特にみられなかった
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並)(図中C) 東経143度付近(平年より西)(図中C) 東経143度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯39度付近(平年より北) 北緯37度付近(平年並) 北緯38.5度付近(平年より北)(図中D)
その他の日本の東の海流 8月を通して、釧路沖の北緯41.5度、東経146.5度付近に暖水域がみられた
日本海の海流 山陰沖西部では北東に流れていた
8月上旬は山陰沖東部と能登沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れて佐渡沖に達していた
佐渡沖からは秋田沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れていた
8月中旬以降は隠岐の北東からは北に向きを変え、北緯39度付近からは東に流れ、酒田沖に達していた
酒田沖からは東経139.5度付近を北に流れていた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

このページのトップへ