日本近海の海流(月概況)

平成25年10月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年9月)

  • 黒潮は、9月を通して、沖縄の北西180kmから190km付近を流れていました。都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬では、9月を通して接岸して流れていました。東海沖では南東に流れ、9月上旬は北緯31.5度、東経139.5度付近、中旬と下旬は北緯31.5度、東経139度付近までそれぞれ南下し、八丈島の南を流れ、伊豆諸島の東を北向きに流れました。
  • 親潮は、9月を通して分枝構造はみられず、親潮の南限位置は9月上旬は北緯39.5度、東経147度付近、中旬は北緯39度、東経147度付近、下旬は北緯39.5度、東経147度付近にそれぞれありました。親潮の面積は、9月を通して平年より小さい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、9月上旬は平年より強く、中旬以降は平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年9月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年9月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年9月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.8度/南東 北緯29.8度/東南東 北緯30.1度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸  接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経139.5度付近 北緯31.5度、東経139度付近 北緯31.5度、東経139度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 九州西方の北緯32度、東経129度付近に暖水域がみられた
四国沖の北緯31度、東経136度付近に暖水渦がみられた(図中E)
東海沖の北緯33度、東経138.5度付近に冷水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年9月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経147度付近(図中A) 北緯39度、東経147度付近 北緯39.5度、東経147度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 金華山沖の北緯38.5度、東経142.5度付近 福島県沖の北緯37.5度、東経142.5度付近 福島県沖の北緯37.5度、東経142.5度付近
親潮の面積(※4 平年より小さい 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143.5度付近(平年並)(図中B) 東経143.5度付近(平年並)(図中B) 東経143.5度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯39度付近(平年より北)(図中C) 北緯39度付近(平年より北)(図中C) 北緯37.5度付近(平年並)
その他の日本の東の海流 9月を通して、三陸沖の北緯40度、東経145度付近および、釧路沖の北緯41.5度、東経146.5度付近(図中D)において暖水域がみられた
9月下旬は、本州東方の北緯38.5度、東経145度付近に暖水域がみられた
釧路沖では、9月上旬と中旬は北緯41.5度、東経145度付近、下旬は北緯42度、東経144.5度付近に冷水域がみられた
日本海の海流 山陰沖西部では、9月を通して北東に流れていた
隠岐の北からは、9月上旬は北北東、中旬と下旬は北にそれぞれ向きを変え、北緯38.5度付近からは東に流れていた
能登沖からは北に流れ、9月上旬は北緯39度付近、中旬と下旬は北緯39.5度付近でそれぞれ東に向きを変え佐渡沖に達していた
佐渡沖では、9月上旬と中旬は北東に向きを変えて、下旬は東向きに流れたまま秋田沖に達し、東経139.5度付近を北上した
上旬と中旬は山陰沖東部の北緯36.5度、東経134.5度付近を中心とする時計回りの循環がみられた
下旬は能登沖から山陰沖東部にかけての北緯36.5度から北緯37.5度付近において、南西向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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