日本近海の海面水温(月概況)

平成26年5月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2014年4月)

  • 三陸沖、日高沖、釧路沖の海面水温は、4月を通して平年よりかなり低くなっていました(図中A)。
  • 太平洋の北緯35度以南では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B〜D)。
  • 東シナ海北部の北緯33度以北では、4月を通して、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。
  • 日本海の東経135度以西では、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2014年4月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2014年4月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

三陸沖、日高沖、釧路沖の海面水温は、親潮の影響で、4月を通して平年よりかなり低くなっていました(図中A)。

太平洋の北緯35度以南では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B〜D)。

日本の南の北緯25度以北(図中B)では、4月上旬に低気圧の通過や寒気の影響で、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。4月中旬には低気圧の通過に伴う強風により上層と下層の水がかき混ぜられたため、海面水温が平年より1℃以上低い海域が拡大しました。またこの海域は、4月を通して海面水温がかなり低い状態でした。

4月中旬に、日本の南の北緯25度以南から父島近海にかけて(図中C)は、北よりの風が強かったため、日本の東の北緯35度以南(図中D)では、低気圧が通過した影響で、これらの海域では4月中旬以降、海面水温がかなり低い状態でした。

東シナ海北部の北緯33度以北では、4月を通して、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。

日本海の東経135度以西では、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。この海域では4月下旬に、平年より風が弱かったため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ