日本近海の海流（月概況）

平成26年7月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2014年6月）

  • 黒潮は、6月を通して沖縄の北西170〜190km付近を流れていました。都井岬と足摺岬では6月を通して離岸、室戸岬では6月上旬と下旬は離岸、中旬は接岸して流れていました。潮岬では6月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の最南位置は、6月を通して北緯32.5〜33度、東経138.5〜139.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、6月上旬および中旬は八丈島付近、下旬は三宅島と八丈島の間を流れていました。
  • 親潮は、6月の上旬と下旬に分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は、上旬は北緯39度、東経143.5度付近、下旬は北緯39.5度、東経144度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯40.5度、東経148度付近、下旬は北緯40度、東経148度付近でした。分枝構造がみられなかった6月中旬の親潮の南限位置は、北緯39.5度、東経144度付近でした。親潮の面積は、6月上旬および中旬は平年並、下旬は平年より大きくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、6月を通じて平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2014年6月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2014年6月）

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2014年6月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 170km付近 180km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯29.6度／東南東 北緯29.6度／東南東 北緯29.8度／東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯32.5度、東経139.5度付近 北緯33度、東経139度付近 北緯33度、東経138.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 八丈島付近 八丈島付近 三宅島と八丈島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、月を通して北緯23.5度、東経127.5度付近(図中A)に暖水域がみられた
先島諸島の南では、6月上旬は北緯23.5度、東経124度付近(図中B)に冷水渦、中旬は北緯24度、東経124.5度付近に冷水域がそれぞれみられた
沖縄の東では、6月中旬および下旬に北緯26度、東経130度付近(図中C)に冷水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2014年6月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯39度、東経143.5度付近 北緯39.5度、東経144度付近(図中D) 北緯39.5度、東経144度付近(図中D)
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） 北緯40.5度、東経148度付近 なし 北緯40度、東経148度付近(図中E)
その他の親潮系冷水の位置 北緯38度、東経143度付近 北緯38度、東経143度付近 なし
親潮の面積（※4） 平年並 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経142度付近（平年より西）(図中F) 東経142度付近（平年より西）(図中F) 東経142度付近（平年より西）(図中F)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯36.5度付近（平年並）(図中G) 北緯36.5度付近（平年並）(図中G) 北緯36.5度付近（平年並）(図中G)
その他の日本の東の海流 なし
日本海の海流 対馬暖流は、6月を通して山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北を北に流れて北緯38度、東経133度付近から東に流れ、佐渡の西に達していた
6月上旬は佐渡の西から北東へ流れ、男鹿半島の西では東経139度付近を北向きに流れ、中旬および下旬は佐渡の西から北北東に流れ、それぞれ津軽沖に達していた
津軽沖では、檜山沖に向かって北進する流れと、津軽海峡を東進する流れがみられた
朝鮮半島沖東岸では北向きの流れがみられ、6月を通して北緯40度付近まで達していた
隠岐の東では、6月を通して、岸沿いに東向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力（※7） 平年より強い 平年より強い 平年より強い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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