日本近海の海面水温(月概況)

平成26年8月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2014年7月)

  • 日本海の海面水温は、平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 本州東方から北海道東方にかけて、海面水温が平年より高くなっていました(図中B)。
  • 太平洋の北緯30度から北緯35度および東シナ海北部の海面水温は、平年より低くなっていました(図中C)。
  • 父島近海および南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2014年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2014年7月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本海の海面水温は、平年よりかなり高くなっていました(図中A)。日本海では、6月下旬から海面水温が平年より高い状態となっていたことに加え、7月上旬から中旬にかけて平年より風が弱く、日射量も多かったため、海面水温が平年より大きく上昇しました。このため、7月を通して海面水温がかなり高い状態が続きました。

本州東方から北海道東方にかけて(図中B)、海面水温が平年より高くなっており、三陸沖から北海道東方にかけて平年よりかなり高い海域もみられました。三陸沖や釧路沖では、6月下旬から海面水温が平年より高かったことに加え、7月上旬から中旬にかけては暖水が北上した影響もあり、平年よりかなり高い状態が続いていました。

太平洋の北緯30度から北緯35度および東シナ海北部の海面水温は、平年より低くなっていました(図中C)。関東の南東から東シナ海にかけては、7月上旬から中旬にかけて梅雨前線や台風第8号の影響を受けて、海面水温が平年より低い状態が続いていました。一方、下旬は高気圧に覆われる日が多く、平年より日射量が多かったため、海面水温が平年より大きく上昇し、平年より低い海域は縮小しました。

父島近海および南鳥島近海では、7月を通して高気圧に覆われ、平年より風が弱く、日射量も多かったため、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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