日本近海の海流(月概況)

平成26年9月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2014年8月)

  • 黒潮は、8月を通して沖縄の北西160〜180km付近を流れていました。都井岬と潮岬では8月を通して接岸して流れていました。 足摺岬では8月上旬は離岸、中旬および下旬は接岸して流れていました。室戸岬では8月上旬と下旬は接岸、中旬は離岸して流れていました。
  • 東海沖の最南位置は、8月を通して北緯33度、東経138度付近となっていました。伊豆諸島付近では、8月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、8月上旬は北緯39.5度、東経143.5度付近、中旬および下旬は北緯39.5度、東経143度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、8月上旬は北緯39.5度、東経148度付近、中旬は北緯41度、東経148度付近、下旬は北緯40.5度、東経148度付近でした。親潮の面積は、8月上旬は平年並、中旬および下旬は平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、8月上旬は平年並、中旬および下旬は弱い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年8月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年8月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2014年8月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 160km付近 180km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度/南東 北緯30.2度/南東 北緯29.8度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経138度付近 北緯33度、東経138度付近 北緯33度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、8月上旬は北緯24度、東経128度付近、中旬は北緯23.5度、東経128度付近、下旬は北緯23.5度、東経127.5度付近(図中A)に暖水域がみられた
沖縄の東では、8月中旬は北緯25.5度、東経129.5度付近(図中B)、下旬は北緯25度、東経129.5度付近に冷水域がみられた
先島の南では、8月上旬は北緯22.5度、東経123.5度付近(図中C)に暖水域がみられた
関東南東方では、8月上旬および中旬は北緯33.5度、東経143.5度付近(図中D)、下旬は北緯34度、東経144度付近に冷水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2014年8月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経143.5度付近 北緯39.5度、東経143度付近(図中E) 北緯39.5度、東経143度付近(図中E)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経148度付近 北緯40.5度、東経148度付近(図中F) 北緯40.5度、東経148度付近(図中F)
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年並 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より西)(図中G) 東経143度付近(平年並)(図中G) 東経143度付近(平年より西)(図中G)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中H) 北緯36.5度付近(平年並)
その他の日本の東の海流 中旬と下旬は北緯42度、東経146度付近に暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、8月を通して山陰沖を北東に流れていた
8月上旬は、北緯39度、東経137度付近から東へ流れ、東経139度付近からは北に流れて津軽沖に達していた
中旬および下旬は、北緯39.5度、東経137度付近から南東へ流れ、北緯39度、東経138度付近からは北北東に流れて津軽沖に達していた
山陰沖東部では、8月を通して岸沿いに東向きの流れがみられ、東経136度付近からは北向きに流れていた
朝鮮半島東岸では、8月を通して北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年より弱い 平年より弱い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

このページのトップへ