日本近海の海面水温(月概況)

平成26年11月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2014年10月)

  • 沖縄の東、四国沖、東海沖および関東南東方では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中A)。
  • 太平洋の北緯35度以北では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。
  • 網走沖では、海面水温が平年並でした(図中C)。
  • 日本海では、東経135度以東(図中D)を中心に海面水温が平年より高く、山陰沖(図中E)では平年より低くなっていました。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2014年10月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2014年10月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

10月上旬に台風第18号が日本の南を北上し本州上陸後に日本の東へ、また、中旬に台風第19号が沖縄の南から東シナ海南部を北上し、九州上陸後、本州東方へそれぞれ進みました。これらの影響で、太平洋の北緯35度以南と東シナ海では、海面水温が平年より高い海域はほとんどみられなくなり、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。特に、沖縄の東、四国沖、東海沖および関東南東方では、10月の海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中A)。

太平洋の北緯35度以北では、10月上旬と中旬に日本の東を低気圧が通過した影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました(図中B)。本州東方の東経145度以東では、海面水温が平年よりかなり低い海域もみられました。一方、三陸沖の北緯39〜40度、東経143度付近と釧路沖では、暖水の影響で月を通して海面水温が平年より高くなっていました。

オホーツク海南部では、低気圧や前線が通過した後に寒気が入った影響もあり、10月中旬に海面水温が平年より高い海域が縮小し、網走沖では10月の海面水温が平年並となりました(図中C)。

日本海では、10月上旬と中旬に北よりの風が強い日が多かったため、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。東経135度以東(図中D)を中心に海面水温が平年より高い海域もみられますが、山陰沖(図中E)では平年より低くなりました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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