日本近海の海流(月概況)

平成26年12月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2014年11月)

  • 黒潮は、11月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬と足摺岬では、11月上旬および中旬は接岸、下旬は離岸して流れていました。室戸岬では11月上旬および下旬は離岸、中旬は接岸して流れていました。潮岬では11月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の最南位置は、11月中旬および下旬は北緯33度、東経138〜138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、11月上旬および中旬は三宅島と八丈島の間、下旬は三宅島付近を流れていました。常磐沖では、11月上旬および中旬に、黒潮系暖水が北緯38度付近まで北上していました。
  • 親潮は11月を通して分枝構造がみられず、南限位置は東経148度以東に後退し、11月を通して北緯41度、東経149度付近でした。親潮の面積は、11月を通して平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、11月を通して平年並でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年11月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年11月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2014年11月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 190km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.9度/東南東 北緯29.9度/南東 北緯29.7度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸(小蛇行)
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 なし 北緯33度、東経138.5度付近 北緯33度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 先島の南では、11月上旬は北緯22度、東経124度付近、中旬は北緯22度、東経123.5度付近(図中A)、下旬は北緯22.5度、東経123度付近に暖水渦がみられた
沖縄の南では、11月上旬は北緯24度、東経127度付近、中旬は北緯23.5度、東経126度付近(図中B)に冷水域がみられた
種子島近海では、11月中旬および下旬は北緯30.5度、東経131.5度付近に冷水域がみられた
関東南東方では、11月上旬は北緯31.5度、東経143度付近、中旬は北緯32度、東経143度付近(図中C)、下旬は北緯32.5度、東経143.5度付近に冷水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2014年11月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41度、東経149度付近(図中D) 北緯41度、東経149度付近(図中D) 北緯41度、東経149度付近(図中D)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 - -
その他の親潮系冷水の位置 北緯40度、東経143度付近、北緯41.5度、東経144.5度付近、北緯40.5度、東経147度付近 北緯41.5度、東経143.5度付近、北緯42度、東経145度付近(図中E)、北緯40度、東経146.5度付近 北緯41度、東経143度付近、北緯42度、東経145度付近、北緯40.5度、東経146.5度付近(図中F)
親潮の面積(※4 平年より小さい 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より西) 東経142.5度付近(平年より西)(図中G) 東経142.5度付近(平年より西)(図中G)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年並)(図中H) 北緯38度付近(平年並)(図中H) 北緯38度付近(平年並)(図中H)
その他の日本の東の海流 11月を通して、釧路沖の北緯42度、東経147度付近に暖水域がみられた(図中I)
日本海の海流 対馬暖流は、11月を通して山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に流れ、北緯38.5度付近からは東南東〜東に流れていた
東経136〜136.5度付近からは、能登半島の北で北緯39.5度付近まで張り出している暖水域に沿って流れて佐渡の北に達し、北緯38.5〜39度、東経139度付近からは北に流れて津軽沖に達していた
朝鮮半島東岸で北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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