日本近海の海流（月概況）

平成27年3月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2015年2月）

  • 黒潮は、2月を通して沖縄の北西170〜180km付近を流れていました。都井岬では2月を通して接岸して流れていました。足摺岬では、2月上旬および下旬は離岸、中旬は接岸して流れていました。室戸岬では、2月上旬および中旬は離岸、下旬は接岸して流れていました。潮岬では2月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、2月上旬は北緯32度、東経139.5度付近、中旬は北緯31度、東経140度付近、下旬は北緯32.5度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、2月上旬および中旬は八丈島の南、下旬は三宅島と八丈島の間をそれぞれ流れていました。
  • 親潮の南限位置は、2月上旬は分枝構造がみられず、南限位置は北緯39.5度、東経145度付近でした。中旬と下旬は分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は中旬は北緯39度、東経145.5度付近、下旬は北緯39度、東経142.5度付近でした。沖合の分枝の南限位置は中旬は北緯40.5度、東経147.5度付近、下旬は北緯40度、東経147.5度付近でした。親潮の面積は、2月を通して平年より大きくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、2月上旬は平年より弱く、中旬と下旬は平年並でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2015年2月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2015年2月）

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年2月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 180km付近 180km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯30.2度、南東 北緯29.8度、南東 北緯30.1度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯32度、東経139.5度付近 北緯31度、東経140度付近 北緯32.5度、東経138.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 八丈島の南 八丈島の南 三宅島と八丈島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 先島諸島の南では、2月上旬は北緯22.5度、東経124度付近に暖水域が、中旬および下旬は北緯22.5度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2015年2月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯39.5度、東経145度付近 北緯39度、東経145.5度付近(図中A) 北緯39度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし 北緯40.5度、東経147.5度付近(図中B) 北緯40度、東経147.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積（※4） 平年より大きい 平年より大きい 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経142度付近（平年並）(図中C) 東経142度付近（平年より西）(図中C) 東経142度付近（平年並））(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯36度付近（平年より南）(図中D) 北緯36度付近（平年より南）(図中D) 北緯36度付近（平年より南）(図中D)
その他の日本の東の海流 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、2月を通して山陰沖では北東に流れ、東経134度付近からは北に流れ、北緯38.5度付近まで張り出している暖水域に沿って流れていた
2月上旬は能登半島の西からは北北東に流れ、北緯39.5度、東経139度付近からは北に流れて、津軽沖に達していた
中旬および下旬は能登半島の北西から東経136度付近を北に流れ、北緯39度付近から東北東に流れ、北緯39.5度、東経139.5度付近からは北に流れて、津軽沖に達していた
対馬暖流の勢力（※7） 平年より弱い 平年並 平年並

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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