日本近海の海流(月概況)

平成27年9月24日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年8月)

  • 黒潮は、8月を通して沖縄の北西170〜180km付近を流れていました。都井岬では8月を通して接岸して流れていました。足摺岬では8月中旬、室戸岬では下旬に接岸して流れていましたが、それ以外の期間は離岸して流れていました。潮岬では、8月上旬は接岸、中旬と下旬は離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、8月を通して北緯31.5度付近にあり、経度は上旬が東経139.5度付近、中旬が東経140度付近、下旬が東経139度付近となっていました。伊豆諸島付近では、8月上旬は三宅島付近を、中旬と下旬は八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、 8月上旬と下旬はそれぞれ北緯42度、東経148度付近、北緯41.5度、東経148度付近にありました。親潮の面積は、8月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、5月以降、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流の勢力は、8月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年8月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年8月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年8月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度、東南東 北緯29.5度、東 北緯29.8度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸(小蛇行) 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経139.5度 北緯31.5度、東経140度 北緯31.5度、東経139度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、8月上旬に北緯22.5度、東経124.5度付近、中旬に北緯22度、東経124度付近、下旬に北緯24度、東経130度付近に暖水域がみられた
上旬は北緯33度、東経134度付近に冷水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年8月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯42度、東経148度付近 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経148.5度付近) 北緯41.5度、東経148度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42.5度、東経144.5度付近 北緯42.5度、東経144.5度付近 北緯42.5度、東経144.5度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並)(図中B) 東経143度付近(平年並)(図中B) 東経143度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近) 北緯37度付近(平年並)(経度は東経143度付近)(図中C) 北緯37度付近(平年並)(経度は東経142.5度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖では8月上旬は北緯41度、東経146度付近、中旬と下旬は北緯41.5度、東経146度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では8月を通して北緯39度、東経144度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北東からは北緯37.5度、東経134.5度付近を中心とする暖水域の周りを時計回りに流れていた
能登沖の北緯38.5度付近からは東北東に流れ、秋田沖の東経139.5度付近からは北に流れて津軽沖に達していた
山陰沖東部から能登半島西方にかけて岸沿いに流れがみられた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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