日本近海の海流(月概況)

平成27年12月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年11月)

  • 黒潮は、11月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬では11月上旬は離岸、中旬と下旬は接岸して、足摺岬では上旬と下旬は接岸、中旬は離岸して、室戸岬と潮岬では上旬と中旬は接岸、下旬は離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、11月上旬は北緯33度、東経139度付近、中旬は北緯33度、東経137.5度付近、下旬は北緯33度、東経137度付近となっていました。伊豆諸島付近では、11月上旬は八丈島付近を、中旬と下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、11月を通して東経148度以東に後退していました。親潮の面積は、11月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、5月以降、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流の勢力は、11月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年11月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年11月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年11月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 190km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、東南東 北緯30.0度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経139度 北緯33度、東経137.5度 北緯33度、東経137度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
その他の顕著な現象 奄美群島の東では、11月上旬に北緯28.5度、東経131.5度付近に暖水域がみられた
先島諸島の南では、11月中旬は北緯23度、東経125度付近に暖水域が、北緯20.5度、東経125度付近に冷水渦が、下旬は北緯23.5度、東経124度付近に暖水域が、北緯21度、東経123.5度付近に冷水域が、それぞれみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年11月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経150.5度付近) 東経148度以東に後退(北緯41度、東経150度付近(図中A)) 東経148度以東に後退(北緯41度、東経150度付近(図中A))
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯40度、東経143度付近 北緯40度、東経143度付近 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143.5度付近(平年並)(図中B) 東経143.5度付近(平年より東)(図中B) 東経143.5度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯39.5度付近(平年より北)(経度は東経144.5度付近) 北緯40.5度付近(平年より北)(経度は東経144.5度付近)(図中C) 北緯37度付近(平年より南)(経度は東経145.5度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖では11月上旬は北緯41度、東経146.5度付近、北緯42度、東経144.5度付近、中旬は北緯42.5度、東経145度付近、北緯41.5度、東経148度付近、下旬は北緯42.5度、東経145度付近、北緯42度、東経148度付近に暖水域がみられた
本州東方では11月下旬に北緯38度、東経142.5度から北緯39.5度、東経144.5度付近にかけて、暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は11月を通して、山陰沖を北東に流れ、北緯39度、東経135度付近からは南東に流れていた
能登半島の北からは北北東に流れ、北緯40度付近からは東に流れ、秋田沖の東経139.5度付近からは北西に流れていた
北緯41.5度付近からは東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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