日本近海の海面水温(月概況)

平成27年12月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2015年11月)

  • オホーツク海南部では、海面水温が平年より低くなっていました(図中A)。
  • 釧路沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 日本の東の北緯40度、東経148度付近から北緯42度、東経153度付近にかけて、海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中C)。
  • 本州東方の東経143度以東では、海面水温が平年より低くなっていました(図中D)。
  • 常磐沖、金華山沖では、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。
  • 日本の南、東シナ海南部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中G)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2015年11月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2015年11月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、海面水温が平年より低くなっていました(図中A)。北緯46度以北では、海面水温が平年よりかなり低い海域もみられました。

釧路沖では、下層の暖水の影響や11月上旬から中旬にかけて平年より寒気が弱かった影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

日本の東の北緯40度、東経148度付近から北緯42度、東経153度付近にかけて、下層の冷水の影響により海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中C)。

本州東方の東経143度以東では、海面水温が平年より低くなっていました(図中D)。この海域では、10月下旬には海面水温が平年よりかなり低くなっていましたが、平年より寒気が弱かったため、11月下旬には海面水温が平年よりかなり低い海域はみられなくなりました。

常磐沖、金華山沖では、11月上旬から中旬にかけて下層の暖水が北上した影響などにより、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。津軽沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました。

日本の南、東シナ海南部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中G)。これらの海域では、11月上旬から中旬にかけて平年より風が弱かったことや暖かく湿った空気が流れ込んだことにより、海面水温が平年よりかなり高い海域が広がりました。

沖縄の南では、11月中旬から下旬にかけて下層の暖水の影響などにより、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中H)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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