日本近海の海面水温(月概況)

平成28年2月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年1月)

  • 釧路沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 日本の東の北緯40度、東経149度付近では、海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中B)。
  • 常磐沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 関東の南東、日本の南、東シナ海、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年1月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年1月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

釧路沖では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。

日本の東の北緯40度、東経149度付近では、下層の冷水の影響により、海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中B)。

常磐沖では、1月中旬以降、下層の冷水が南下したことにより、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。この海域では、12月下旬には海面水温が平年より高かったことに加え、1月上旬には南部を中心に平年より風が弱く寒気が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました。1月中旬以降は、平年より寒気が強かったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

関東の南東、日本の南、東シナ海、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。これらの海域では、12月下旬には海面水温が平年より高かったことに加え、1月上旬には平年より風が弱く太平洋では南からの暖かい湿った空気が流れ込んだため、海面水温が平年よりかなり高い海域が広い範囲でみられました。その後、1月中旬後半から下旬前半頃に、関東の南東、日本の南、東シナ海では、平年より寒気が強かったため、これらの海域では海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

沖縄の南では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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