日本近海の海面水温(月概況)

平成28年3月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年2月)

  • 三陸沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 常磐沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C) 。
  • 日本の南、沖縄近海、九州西方では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年2月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年2月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

三陸沖では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。この下層の暖水は1月には三陸沖から釧路沖まで広がっていましたが、2月には縮小・南下したため、海面水温が平年より高い海域も南下しました。

常磐沖では、下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。

父島近海、南鳥島近海では、2月上旬および下旬に平年より風が弱く、また暖かく湿った空気におおわれたため、1月に引き続いて海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。

日本の南、沖縄近海、九州西方では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。 これらの海域では、2月は平年より風が強く、また上旬および下旬に寒気が平年より強かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域は縮小しました。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。特に能登沖では海面水温が平年よりかなり高くなっていました。日本海では、2月中旬は暖かく湿った気流の影響を受けたため海面水温が平年より高い海域が拡大しましたが、下旬は寒気の影響で海面水温が平年より高い海域が縮小しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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