日本近海の海面水温(月概況)

平成28年4月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年3月)

  • 日高沖から三陸沖にかけて、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 常磐沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。
  • 房総沖から東海沖、四国沖では、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。
  • 日本の南の北緯24度から28度、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D) 。
  • 東シナ海南部、沖縄諸島近海、沖縄の南では、海面水温が平年より低くなっていました(図中E)。
  • 日本海では、中部の東経135度以西では海面水温が平年より低くなっていましたが、その他の海域では平年より高く、日本沿岸寄りの海域では平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年3月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年3月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日高沖から三陸沖にかけて、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。

常磐沖では、下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。

房総沖から東海沖、四国沖では、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。これらの海域では、2月下旬に海面水温がおおむね平年より高かったことに加え、黒潮の暖水による影響もあり、2月に引き続き、海面水温が平年より高くなっていました。

日本の南の北緯24度から28度、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。これらの海域では、2月下旬には海面水温が平年よりかなり高い状態でしたが、3月は平年より日射量が少なく風が強かったため、平年より海面水温がかなり高い海域が縮小しました。

東シナ海南部、沖縄諸島近海、沖縄の南では、海面水温が平年より低くなっていました(図中E)。これらの海域では、3月中旬以降は寒気の影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

日本海では、中部の東経135度以西では海面水温が平年より低くなっていましたが、その他の海域では平年より高くなっていました。日本沿岸寄りの海域では、3月上旬は南からの暖かく湿った空気の影響で、中旬と下旬は平年より日射量が多く風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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