日本近海の海面水温(月概況)

平成28年9月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年8月)

  • 日本海、東シナ海、沖縄の南、沖縄の東、四国沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • オホーツク海南部、本州東方、東海沖では、海面水温が平年より高く、釧路沖では平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 関東南東方、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。
  • 日本のはるか東の北緯40度以北では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年8月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年8月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本海、東シナ海、沖縄の南、沖縄の東、四国沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。東シナ海と沖縄の南では7月下旬に海面水温が平年よりかなり高かったことに加え、8月中旬に平年より風が弱く、日射量が多かったためと考えられます。日本海、沖縄の東、四国沖では8月上旬や中旬に平年より風が弱く、日射量が多かったため、海面水温が平年よりかなり高くなりました。東シナ海、日本海南部の8月の海面水温は、解析値のある1982年以降で年間を通して最も高い水温となりました。

オホーツク海南部、本州東方、東海沖では、海面水温が平年より高く、釧路沖では平年よりかなり高くなっていました(図中B)。これらの海域では、8月上旬に平年より日射量が多く、釧路沖や本州東方では下層の暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。ただし、本州東方では、中旬に台風第6号、第7号の影響を受け、日本の南では、下旬に台風第10号などの影響を受けたため海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

関東南東方、父島近海、南鳥島近海では、複数の台風の影響を受けたため、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。

日本のはるか東の北緯40度以北では、月を通して日射量が多く、また、南からの暖かく湿った風の影響を受けたため、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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