日本近海の海流(月概況)

平成28年11月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2016年10月)

  • 黒潮は、10月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬では、10月上旬と中旬は接岸して、下旬は離岸して流れていました。足摺岬では、10月上旬と下旬は離岸して、中旬は接岸して流れていました。室戸岬では、10月を通して離岸して流れていました。潮岬では、10月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、10月上旬は北緯32.5度、東経140度付近、中旬は北緯32.5度、東経138度付近、下旬は北緯32.5度、東経139.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、10月上旬と下旬は八丈島の南を、中旬は三宅島と八丈島の間を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、10月を通して東経148度以東でした。親潮の面積は、10月上旬と下旬は平年よりかなり小さく、中旬は平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、10月を通して平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年10月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年10月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2016年10月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 190km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.5度、東南東 北緯30.2度、南東 北緯29.7度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経140度 北緯32.5度、東経138度 北緯32.5度、東経139.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 三宅島と八丈島の間 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄本島の南では、10月上旬に北緯24.5度、東経128.5度付近、中旬に北緯24.5度、東経128度付近、下旬に北緯24度、東経127度付近に暖水渦がみられた
奄美群島東方では、10月中旬に北緯28.5度、東経132度付近に冷水渦が、下旬に北緯29度、東経132度付近に冷水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2016年10月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 東経148度以東に後退(北緯42度、東経149.5度付近)(図中A) 東経148度以東に後退(北緯42度、東経149.5度付近)(図中A) 東経148度以東に後退(北緯41度、東経149度付近)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経144.5度付近、北緯41.5度、東経146度付近 北緯42度、東経145.5度付近、北緯40.5度、東経146.5度付近 北緯42度、東経145.5度付近から北緯40度、東経146.5度付近にかけて(図中B)
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年より小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143.5度付近(平年より東)(図中C) 東経143.5度付近(平年並)(図中C) 東経143.5度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(経度は東経144度付近)(図中D) 北緯38度付近(平年並)(経度は東経144度付近)(図中D) 北緯38度付近(平年並)(経度は東経144度付近)(図中D)
その他の日本の東の海流 北海道東方では、10月上旬と下旬に北緯42度、東経147.5度付近、中旬に北緯42.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられた
本州東方では、10月上旬に北緯39.5度、東経144度付近と北緯38.5度、東経149度付近、中旬に北緯40度、東経144.5度付近と北緯38.5度、東経148.5度付近、下旬に北緯39.5度、東経144.5度付近と北緯38.5度、東経148度付近に、暖水渦がそれぞれみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西からは北に流れ、北緯38度付近からは北東に流れていた
北緯39.5度、東経135度付近からは東に流れ、佐渡沖の東経138度付近からは時計回りに流れて、秋田沖の北緯40度、東経139.5度付近からは北西に流れ、津軽沖では時計回りに流れて、津軽海峡に達していた
若狭湾沖では反時計回りの流れが、朝鮮半島東方および檜山沖では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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