日本近海の海面水温(月概況)

平成28年11月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年10月)

  • 日本近海では、海面水温が平年より高くなっていました。
  • 日本の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中A)。
  • 檜山・津軽沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 日本の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 東シナ海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年10月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年10月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本近海では、海面水温が平年より高くなっていました。

日本の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中A)。日本の東では、10月上旬には海面水温が平年よりかなり高い状態でしたが、寒気の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域は縮小し、10月中旬には海面水温が平年より低い海域もみられるようになりました。北海道東方、三陸沖では、暖水渦の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域も継続してみられました。

檜山・津軽沖では、下層の暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

日本の南では、10月上旬と下旬の暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。ただし、伊豆諸島の西では、下層の冷水の影響で、10月下旬には平年より低い海域もみられました。

東シナ海、沖縄の南では、暖かく湿った空気の影響などにより、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

日本の南、東シナ海では、10月の平均海面水温が、解析値のある1982年以降で最も高くなりました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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