日本近海の海面水温(月概況)

平成29年4月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2017年3月)

  • 日本海では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 三陸沖では、2月に引き続き、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられましたが、3月下旬には縮小しました(図中B)。
  • 金華山沖から福島県沖では、海面水温が平年より3℃以上低い海域がみられました(図中C)。
  • 関東の東では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 関東南東方の東経142度以西から東海沖にかけて、四国沖の黒潮流路の南側、沖縄の南では、海面水温が平年より低くなっていました(図中E)。
  • 東シナ海から奄美群島の東にかけては、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年3月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年3月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、2月に引き続き、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中A)。

三陸沖では、暖水渦の影響により、2月に引き続き、3月中旬まで海面水温が平年よりかなり高い海域が広がっていましたが、下旬には下層の冷水の影響で縮小しました(図中B)。

金華山沖から福島県沖では、下層の冷水の影響で、海面水温が平年より3℃以上低い海域がみられました(図中C)。

関東の東では、黒潮系暖水の影響により、海面水温が平年より高くなっていました。3月中旬以降の寒気の影響により、2月から続いていた海面水温が平年よりかなり高い海域は、3月下旬にはみられなくなりました(図中D)。

関東南東方の東経142度以西から東海沖にかけて、四国沖の黒潮流路の南側、沖縄の南では、海面水温が平年より低くなっていました(図中E)。これは、寒気の影響に加えて、関東南東方の東経142度以西から東海沖では、下層の冷水の影響によるものと考えられます。

東シナ海から奄美群島の東にかけては、海面水温が平年より高くなっていました。3月上旬と中旬には、種子島西方、奄美群島の東では下層の暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました。3月下旬には寒気と強風の影響により海面水温が平年より高い海域は縮小しました(図中F)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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