日本近海の海面水温(月概況)

平成29年7月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2017年6月)

  • オホーツク海南部、日本海の東経133度以東では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。
  • 本州東方では、海面水温が平年より高い海域がみられ、三陸沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。
  • 東海沖では、6月中旬、下旬に海面水温が平年より低い海域がみられました。(図中C)。
  • 東シナ海北部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 九州南東方では、海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中E)。
  • 奄美群島近海、沖縄諸島近海、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年6月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年6月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、日本海の東経133度以東では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。これらの海域では、5月に海面水温が平年よりかなり高い海域がみられましたが、寒気の影響を受けたことや、平年より日射量が少なかったことにより、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられなくなり、平年より低い海域が広くみられるようになりました。

本州東方では、海面水温が平年より高い海域がみられ、三陸沖では、下層の暖水の影響で5月下旬に引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。

東海沖では、6月中旬、下旬に海面水温が平年より低い海域がみられました(図中C)。この海域では下層の冷水の影響を受けたほか、上旬、中旬の寒気や下旬に平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域もみられました。

東シナ海北部では、5月下旬に引き続き、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。

九州南東方では、海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中E)。この海域では、6月中旬に寒気の影響を受けたほか、下層の冷水の影響で、海面水温が平年よりかなり低くなっていました。

奄美群島近海、沖縄諸島近海、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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